女性のクラミジア検査・治療

クラミジア感染症とは

クラミジア感染症はクラミジア・トラコマティスという細菌が引き起こす感染症です。

クラミジア感染は20代が最も多い性感染症です。

感染する場所は、尿道、子宮の入り口、眼の結膜、のどの奥、肺などがあります。

潜伏期間は3日~7日間です。

クラミジアの原因であるクラミジア・トラコマティスは感染してから1~3週間で子宮頸管炎を発症します。

この経過中に子宮、卵管を通過して腹腔内に上行感染して骨盤腹膜炎や肝周囲炎を起こす可能性もあります。
非常に強い腹痛を起こし、入院治療が必要になる場合もあります。

クラミジア頸管炎の90%は何も症状を認めませんが、治療せずに放置すると、上行感染により卵管に癒着性変化を起こしたり、骨盤内感染症などの原因になります。

将来の不妊・子宮外妊娠のリスクが高くなります。

妊娠中にクラミジア陽性となるのは2.3%と報告されています。妊娠中のクラミジア感染では流産、早産の原因になることもあります。

また感染した状態で妊娠すると、産道を通過する赤ちゃんが感染し、肺炎や結膜炎を発症する可能性があるため、要注意です。

クラミジアになる原因

基本的に性行為から感染します。

子宮頸管の細胞に寄生して増殖します。感染から48~72時間経過すると増殖したクラミジアが細胞外へ放出されます。
放出されたクラミジアは近隣の細胞にまた感染しながら上行性に感染の範囲を広げていきます。

腟や咽頭から感染するので、口や肛門を使った性行為でも感染する可能性があります。

クラミジアの症状

女性の場合は、無症状の方も多いです。クラミジア感染の約90%が無症状との報告もあります。

症状がある場合は、不正出血や粘り気の強いおりもの、おりものの量が増える、下腹部痛、上腹部痛などが出現します。

咽頭に感染すると喉が炎症を起こすため、痛みや腫れ、発熱、咳などの症状が出現します。

クラミジアの検査方法

おりものの検査

子宮の入り口の分泌物をぬぐって採取し、検査します。

のどの拭いの検査

綿棒を使用する検査方法で、咽頭部の粘液をぬぐって検体とします。

この方法は喉の奥に綿棒を入れるため、吐き気を生じることがあります。

※当院ではのどの拭い検査は行っていません。

うがいの検査

20mlほどの生理食塩水をでうがいをし、吐き出したものを検体として調べる方法です。

うがい液法のメリットは吐き気が生じないため、患者様の負担が少ないです。
また、クラミジアの菌を高い確率で検出できるので、スワブ法よりも有効であると評価されています。

採血検査

血液を採取し、感染を調べる方法です。

しかし、血液検査では、以前に感染したことがある場合にも陽性反応が現れることがあります。
その時は現在感染しているかを調べるために、追加で別の検査を行います。

クラミジアの治療内容

抗生剤を使った薬物療法を行います。
下記どちらか内服方法の一例をご説明します。

  • アジスロマイシン4錠を1回のみ空腹時に内服
  • クラリスロマイシン、ミノサイクリン、ドキシサイクリンを1週間続けて内服

アジスロマイシンは1回服用のみのため、飲み忘れがないのがメリットです。

どちらの方法でも、薬の服用から3週間後にクラミジア菌の検出検査を行い、菌が出なければ治療は完了です。
結果が良くない場合には、抗生剤の種類を変更して、薬の内服を続けることになります。

パートナーがクラミジアになったら

クラミジアは本人が完治しても、パートナーが感染していると性交渉の度に感染が繰り返される病気です。

まず検査を行い、陽性の場合には一緒に治療を受けるようにしてください。

クラミジア治療中の性行為

性行為は禁止です。

もし仮に症状が治まったとしても、菌が残っている限りは安心できません。
これはコンドームを使用したとしても変わらず、菌が残っている限りは安心できません。
またオーラルセックスも、パートナーの喉に感染させる可能性があるので控えてください。

病院で陰性の確認ができてから性行為をしましょう。

検査と治療にかかる費用

内容 料金
初診料 890円
再診料 380円
淋病・クラミジア同時検査 1,500円
クラミジア検査 700円
ジスロマック 430円
ビブラマイシン 270円

※薬剤は1回の治療料金です。

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