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ジエノゲストを服用開始してから不正出血はいつまで続く?

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ジエノゲスト(ディナゲスト)錠は、月経困難症や子宮内膜症の治療に使われる薬です。
副作用として不正出血のリスクがあるため、服用後しばらくは出血の有無や量に注意し、体調不良や強い副作用がみられた場合は、かかりつけの病院に相談してください。

この記事では、ジエノゲストの不正出血がいつまで続くのか、不正出血が起きる理由や治療方法、子宮内膜症が改善される仕組みを紹介しています。
ジエノゲストの服用と、服用中に注意したいポイントも取り上げています。ジエノゲスト以外の治療方法も詳しくみていきましょう。

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ジエノゲストの不正出血が続くのはいつまで?

ジエノゲストの服用後、不正出血が数ヶ月~半年程度継続することが報告されています。これは、ジエノゲストが子宮内膜を薄く保つはたらきによるものです。
子宮内膜は本来、自然なサイクルで厚みを増していき、月経として排出されます。これを厚くしないまま薄い状態に保つものが、ジエノゲストの役割です。
子宮内膜が薄い状態で剥がれやすくなり、その際に不正出血がみられます。

不正出血の程度には個人差があります。服用開始後は、1か月以上経過しても不正出血のタイミングや頻度、量に変化がみられない場合は、医師に相談してください。
月経と同程度の出血量がみられても、一定の期間が経過すると落ち着いていきます。

ジエノゲストで不正出血が起きる理由

ジエノゲストは子宮内膜を剥がれやすくする薬ですが、不正出血が起きる理由は他にもあります。
「子宮内膜が薄くなるのに時間がかかる」ということと、「服用を忘れた」ケースについてみていきましょう。

子宮内膜が薄くなるのに時間がかかるため

子宮内膜は、子宮の内側にある膜の名称です。卵巣で作られる女性ホルモン・エストロゲンが作用することで厚みを増し、妊娠に適した状態になってから女性ホルモンの分泌が少なくなると剥がれやすくなります。
ジエノゲストは黄体ホルモンを含む薬で、子宮の内膜にはたらきかけて薄さを保ちます。服用を開始してからは膜が不安定な状態となり、不正出血が頻発する可能性があります。不正出血は、毎日2錠を継続して服用することで、数か月後には落ち着くことが多いとされています。

個人差はありますが、子宮内膜を薄くして安定させるのに時間がかかることが不正出血の原因と考えられています。ただし、なかには多量の出血や不正出血が長期化するケースもあるため、定期健診で検査のうえ、医師に相談するようにしてください。

服用を忘れたため

ジエノゲストの服用を忘れると、体内の女性ホルモンが変化し子宮内膜が不安定化しやすくなります。

本来、厚みを増す子宮内膜はジエノゲストによって薄く保たれますが、服用を忘れると再び厚みが出てきます。しかし、薬の力で薄さを保ってきた内膜は剥がれやすい状態になっている可能性があり、すでに剥がれかけが起きていると、不正出血が発生する仕組みです。

薬の服用忘れが続くと、月経が再び始まってしまうおそれもあります。その場合は不正出血ではなく月経としての出血となるため、ジエノゲストによる不正出血か、月経によるものかが判断しにくくなるおそれもあります。

服用を忘れた場合は、できるだけ早く対処することが重要です。一定期間服用間隔が空いてしまった場合は、かかりつけの病院に相談し、指示を受けてください。

不正出血の治療方法

ジエノゲストによる不正出血は、服用開始から数か月で減少すると報告されることがあります。ただし、数ヶ月で不正出血が完全に消失するものではなく、服用を続けてしばらく経ってから出血するケースも少なくありません。
基本的には不正出血が起きても少量程度であれば服薬を続けられますが、貧血や立ちくらみなどの副作用が発生し、出血量が中等量以上で長引く場合は、休薬や薬物療法の併用などの対応が検討されます。

不正出血の治療には、「休薬」「薬物療法」「他の薬への切り替え」「1mgから0.5mgへの変更」などが挙げられます。必要に応じて子宮やその他の部位の検査も行われます。
休薬は4日間行い、子宮内膜を完全に剥がして状態を整える方法です。薬物療法は、止血剤や鉄剤を併用して体調を整える治療法です。

ジエノゲストが合わない場合、医師の判断で他の薬が検討されることもあります。低用量ピルや偽閉経療法のための薬に変更し、服用を続けて様子を見ます。
1mgで効果が強く出る場合は、0.5mgへ減量されることもあります。ただし、0.5mg錠でも不正出血のリスクがあるため、不正出血を完全になくしたい場合は、ジエノゲスト以外の薬への変更が必要です。

ジエノゲスト服用で子宮内膜症の症状が軽減する仕組み

子宮内膜症は、子宮内膜が異常に厚くなり、月経困難や痛みなどの症状を引き起こす疾患です。
ジエノゲストには黄体ホルモン(プロゲステロン)が含まれており、子宮内膜の成長を抑えるとされています。女性ホルモンの作用を模倣するため、子宮内膜の増殖を抑制します。
治療は、月経開始後に服用を開始し、1〜3か月程度継続します。通常1mg錠が用いられ、子宮内膜が正常な厚さに戻るまで様子をみながら服用します。子宮内膜の異常が解消されると、月経も正常に戻ることが期待されます。

不正出血が出ている最中に性行為をしても問題はない?

不正出血はジエノゲストの副作用の一つであり、服用中に性行為を行っても基本的に問題はありません。

ただし、子宮や膣のトラブル・疾患がある方など、医師から性行為をしないように指導されている場合は行為を避けてください。
性行為を避けるよう指導されていなければ問題ありませんが、ジエノゲストに避妊の効果はないため、妊娠を希望しない方は男性の協力のもとでコンドームなどを使って避妊を行ってください。

ジエノゲストは子宮内膜を薄く保つ薬で、排卵を抑制します。しかし、排卵を完全に止めるはたらきはありません。まれに排卵が起きてしまうケースも報告されているため、避妊については注意が必要です。
また、多量の不正出血が続く場合は性行為を避け、すぐに医師に相談のうえ薬の調整や切り替えを検討してください。

ジエノゲスト服用に関する注意点

ジエノゲストの服用は、生理開始後2〜5日目に開始するよう医師から指導されることが一般的です。
妊娠を希望しない場合は、他の避妊方法について医師に相談することが推奨されます。

生理が始まってから2~5日目に服用を開始する

ジエノゲストは、生理が始まってから2〜5日目に服用を始めることが推奨されています。これは、妊娠中の方や妊娠の可能性のある方がジエノゲストを服用できないため、妊娠していないことを確認するための飲み方です。
2日目以降であれば、妊娠の可能性はなくジエノゲストを服用できる状態です。ただし、生理5日目を過ぎてしまうと飲み遅れになってしまうため注意が必要です。

妊娠を希望しない場合は他の方法で避妊する

ホルモン剤は体内のホルモン分泌にかかわるため、不正出血や体調不良などの副作用を引き起こす可能性があります。妊娠を希望しない方は、ジエノゲストおよびホルモン剤以外の方法で避妊を行いましょう。
ジエノゲスト服用中に低用量ピルを追加したり、低用量ピルだけに変更したりしないように、飲み方は医師からの指示を守るようにしてください。

割合として、ジエノゲストを服用した人の5~10%には排卵が起きるといわれています。そのため、薬ではなくコンドームを使用し、避妊方法を工夫してください。
また、避妊効果だけを求める際は、低用量ピルが選択肢の一つとして考えられます。ジエノゲスト自体は避妊を目的に開発された薬ではないため、薬での避妊を検討している場合はかかりつけの病院に相談が必要です。

1日2回の服用を心がける

ジエノゲストは体内に長時間留まらないため、1日2回に分けての服用を推奨されることが多いです。12時間おきに飲めなくても、1回目を飲み忘れたと気付いたときに飲むことができます。
2回の服用タイミングは、朝と夜に分ける方法が一般的です。朝6時と夜6時、朝8時と夜8時のように、自分に合ったタイミングを決めて服用を習慣化するようにしましょう。継続的な飲み方によって、月経困難症や子宮内膜症の治療効果が持続します。

ジエノゲスト服用にあたり、医師に相談すべき症状

ジエノゲストを服用していて、次のような症状が現れたときは医師に相談してください。

【医師に相談】

  • 不正出血が多い・長い
  • 更年期障害のような症状
  • 発疹

これらの症状はいずれも副作用の可能性があるため、普段と異なる症状がみられた場合は、すぐに医師や薬剤師に相談してください。
それぞれの症状を詳しくみていきましょう。

不正出血が多い・長い

不正出血は、ジエノゲストの服用中に多くみられる副作用です。
不正出血といっても少量から中等量までが一般的で、出血があっても通常であればそのまま服用を続けられます。

一方で、ジエノゲストを飲み始めてから、月経のような多量の出血が見られるケースがあるとされています。出血量には個人差があり、問題とされるのは月経のような多量のケースと、不正出血が長引くケースです。
月経ではないのに月経のような出血があるときには、医師や薬剤師に相談してください。1mgを服用中の場合、0.5mgに変更するか止血剤や鉄剤の追加、休薬を行う対応策がとられます。

更年期障害のような症状

ジエノゲスト0.5mgを服用すると、女性ホルモンの分泌が抑えられ、更年期のような状態になり、うつ症状やほてり、頭痛などがみられることがあります。このような場合には、かかりつけの医師に相談してください。
一般的に、ジエノゲストの服用開始後数か月で精神症状が現れ、副作用として不眠・不安・抑うつといった精神症状も一部の方にみられます。

個人差はありますが、ジエノゲストはホルモンに作用する薬のため、更年期障害にも似た症状が出現します。

発疹

ジエノゲストの副作用の一つである発疹にも注意が必要です。アレルギー反応や皮膚への刺激がみられたら、休薬または他の薬への変更を行って様子を見ます。
薬剤への過敏症が現れている可能性もありますが、体調や既往症により症状の出方は異なります。問題がないと自己判断せず、肌に異常がみられた場合は、服用を中止し病院へ相談してください。

ジエノゲスト以外の手段

ジエノゲスト以外の手段として、低用量ピルとミレーナが挙げられます。
どちらも女性ホルモンが含まれていますが、年齢・健康状態・その他の適性がみられるため、治療を希望される方は医師にご相談ください。

ここからは、これらの方法について詳しく解説します。

低用量ピル

低用量ピルは、月経困難症や子宮内膜症の治療、および避妊を目的として開発された薬です。
子宮内膜の増殖を抑えることで、月経痛や出血量の軽減が期待でき、さらに排卵を抑制することでホルモンバランスを整える作用もあります。

低用量ピルにはエストロゲンとプロゲステロン(黄体ホルモン)が含まれているため、避妊効果が期待できます。特にエストロゲンのはたらきによって不正出血を起こしにくい点がメリットです。
ジエノゲストを飲んでいても、まれに排卵が起きる可能性があります。低用量ピルほどの避妊効果が期待できないため、避妊を第一に考える場合は低用量ピルが選択肢となります。

ただし、避妊効果と不正出血の予防が同時に行える一方で、未成年者や更年期の方、血栓症のリスクを考慮しなければならない方は服用できません。
過去に血栓症を患った方や、喫煙者の方も血栓症のリスクがあると判断されるため、低用量ピルの服用に適していません。胎児・母乳への影響も考慮しなければならないため、妊娠が判明したばかりの方も服用を避けてください。

ミレーナ

ミレーナ(Mirena)は、子宮内避妊システムと呼ばれる女性専用の避妊具です。
妊娠を希望しない方のために開発された器具であり、子宮内に留置するタイプの避妊具です。子宮口から子宮内部に挿入し、正しい位置に装着することで器具からホルモンがゆっくりと放出されます。

プロゲステロンは子宮内膜を厚くさせないため、ジエノゲストと同じような効果がみられます。
ジエノゲストは薬剤のため1日2回服用しなければなりませんが、ミレーナは一度挿入すれば5年程度は持続し、薬を服用する必要がありません。
月経がある方なら年齢を問わず使用できるので、低用量ピルのように40歳未満までといった制限もありません。
子宮内膜を守る効果のほか、避妊効果も高く、数年間は妊娠のリスクを減らした状態で過ごせるため、妊娠を望まない方や月経の不快感を減らしたい方に選ばれています。

ただし、ミレーナは子宮内に直接挿入する器具であるため、医師の診断と処置が必要です。経腟分娩を経験していない女性は、挿入の際に痛みや不快感をともなう可能性があります。
また、ミレーナにも副作用があります。月経時の出血日数延長・月経周期の変化・腹痛・ミレーナ自身のずれや脱落といったデメリットに注意しなければなりません。

ジエノゲストの不正出血は医師に相談を

今回は、ジエノゲストの服用による不正出血について、注意点や代替治療法を解説しました。
ジエノゲストは黄体ホルモンのみが含まれており、血栓症のリスクが少なく、10代〜50歳までの幅広い年齢層に適応する薬です。

低用量ピルと異なり、年齢や健康状態による制限が少なく、偏頭痛や喫煙習慣の影響を受けにくいため、服用しやすい薬とされています。
不正出血がある場合、服用を中止したり、低用量ピルや他の治療法に変更したりすることもあります。
服用を継続すべきか迷った際は、医師と相談し、適切な治療方針を決定してください。

監修者

院長

清水拓哉

経歴

  • 杏林大学医学部卒業
  • 筑波大学附属病院初期研修
  • けいゆう病院後期研修
  • 横浜総合病院などで勤務した後に開業

資格

  • 日本産婦人科学会専門医
  • 産婦人科内視鏡技術認定医

所属学会

  • 日本産婦人科学会
  • 日本産婦人科内視鏡学会
  • 日本子宮鏡研究会

手術実績(通算)

  • 腹腔鏡手術・700件以上
  • 開腹手術・150件以上
  • 帝王切開・300件以上
  • 分娩(経腟分娩)・1000件以上
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