女性特有の病気に不安がある方に向けて、コルポスコピー検査についての基礎知識を解説します。
もし子宮頸がん検診でコルポスコピー検査が必要だと言われたら、誰しも不安になってしまうのではないでしょうか。
どのような検査なのか、なぜ検査が必要なのか、出血はあるのか、さまざまなご不安があるはずです。
そこで今回の記事では、コルポスコピー検査についての基礎知識を解説します。
必要となる理由や受ける際の注意点も交えており、参考にしていただければコルポスコピー検査の概要をおわかりいただけるはずです。
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子宮頸がんの精密検査
それではさっそく、子宮頸がんの精密検査について見ていきましょう。
精密検査には以下のような3つの種類があります。
精密検査1:コルポスコピー検査
コルポスコピー検査とは、拡大鏡にて子宮頚部を観察する検査のことです。コルポスコープと呼ばれる拡大鏡が用いられます。
特に組織を採取する必要はありません。膣に腟鏡をかけ、拡大鏡を通した後に内部を観察する検査です。
組織の採取が行われないため痛みはほとんどありませんが、観察の際にお酢で加工を行うため、少々しみるかもしれません。
約30秒くらいの検査で2~3枚の写真を撮影します。
精密検査2:頸部組織診
コルポスコピー検査において行われる検査のひとつで、組織を採取して病理検査を実施します。
コルポスコピー検査で病変があると判断された場合に実施されます。
少しの痛みを感じる方もいますが、ほとんどのケースでそれほど強い痛みではありません。
検査は5分程度で終わりますが、検査日以降は1~2日の出血が見られること多いでしょう。
検査の結果が出たらどのような治療を進めていくべきかの説明があります。
関連記事:コルポスコピー検査後に出血が止まらないことはある?
精密検査3:HPVタイピング検査
HPVタイピング検査は、子宮頸がんを引き起こしやすいHPVへの感染を判定する検査です。
HPVの中には子宮頸がんとの関連性が高いタイプが13種類あります。
どのタイプに感染しているかを判断すると、子宮頸がんに進展するリスクがある程度判断できます。
検査を行うことにより、検査以降の管理の方針を定められることがメリットです。検査は組織の採取を行いますが、ほとんど痛みはありませんので安心してください。
精密検査が必要な方
コルポスコピー検査などの精密検査が必要となるかどうかは、細胞診の結果次第です。
子宮頸がんの検診では、最初に細胞診検査を実施します。
そして細胞診検査にて異形成と子宮頸がんの可能性があるとされた方が精密検査を受ける流れです。
細胞診検査には次のような分類があります。
【細胞診検査の分類】
- NILM:炎症のみで異常なし
- ASC-US:軽い病変の疑いあり
- ASC-H:病変の疑いあり
- LSIL:軽度異形成
- HSIL:中等度・高度異形成
- SCC:扁平上皮がん
- AGC:腺異型もしくは腺がんの疑い
- AIS:上皮内腺がん
- Adenocarcinoma:腺がん
- other malig:その他の悪性腫瘍
つまりコルポスコピー検査は、どの分類の子宮頸がんであるかどうかを判断するための、より細密な検査と言えます。
二次検査となるため、一次検査である細胞診の結果次第で必要性が変わるものです。
コルポスコピー検査の注意点
コルポスコピー検査を受ける際には、次のような点に注意しましょう。
【注意点】
- 検査後は自宅で安静にして入浴は避けること
- 生理用ナプキンを持参すること
- 検査後は30分ほど院内での休息時間があること
- 月経中は受けないこと
- 性交渉は1週間ほど避けること
- 出血量が多い場合は受診をすること
検査後は多くの場合で出血が見られます。出血は少量ではありますが、自宅にて安静にすること、出血量が多い場合は受診をすること、性交渉を避けることが大切です。
また検査の際には生理用ナプキンを持参しましょう。タンポンよりも負担がかかりにくいため、ナプキンの方をおすすめします。
また月経中は検査を受けられません。
もし検査日と月経が重なるようであれば、早めにキャンセルの連絡をしてください。
コルポスコピー検査を受けるなら概要を知ってから
いかがでしたでしょうか?この記事を読んでいただくことで、コルポスコピー検査についてご理解いただけたと思います。
コルポスコピー検査は細胞診検査で異常が疑われた際に受ける精密検査です。
痛みはほとんどありませんが、注意点をよく把握してから検査を受けましょう。
Ladies clinic LOG 原宿では女性の健康を守るために、ストレスの少ない診療を目指しています。
もし検診でコルポスコピー検査が必要だとされたなら、Ladies clinic LOG 原宿までお気軽にご相談ください。
監修者
院長
清水拓哉

経歴
- 杏林大学医学部卒業
- 筑波大学附属病院初期研修
- けいゆう病院後期研修
- 横浜総合病院などで勤務した後に開業
資格
- 日本産婦人科学会専門医
- 産婦人科内視鏡技術認定医
所属学会
- 日本産婦人科学会
- 日本産婦人科内視鏡学会
- 日本子宮鏡研究会
手術実績(通算)
- 腹腔鏡手術・700件以上
- 開腹手術・150件以上
- 帝王切開・300件以上
- 分娩(経腟分娩)・1000件以上